
テレビCMの影響もあって一躍、人気の紅葉スポットに躍り出た山科毘沙門堂門跡。沿革を掘り下げていけば古代史ロマンの深みにはまることもあれば、ご本尊の毘沙門天と向きあうことでバリエーション豊富な七福神めぐり、さらには霊場巡拝の旅に心が開かれるかも知れません。
山科の紅葉名所、毘沙門堂門跡、すでに何度か登場していますので、本腰を入れてこのスポットを紹介してみます。言い伝えによれば、毘沙門堂門跡の起源は出雲寺という寺院で、出雲寺があったのは上御霊神社付近。近くでは平安時代より以前にさかのぼる遺跡も発掘されており、それが出雲寺の痕跡ではないかとの推定もなされています。ちなみに現在の鞍馬口通が賀茂川を越えるところに架かる橋は出雲路橋と呼ばれています。これをうけて、この「出雲路」は「出雲寺」に由来するのではないかという推測、さらには古代の渡来部族「出雲一族」の拠点がこの近くだったのではないかという推測などが行われています。これらのいくつかは明確な根拠が示されないまま、可能性の段階で語られる古代ロマンですが、毘沙門堂門跡の前身が平安京以前にさかのぼるという点は抑えておきます。[毘沙門堂門跡の誕生]
[紅葉の絨毯を求めて]
